電通の20代女性社員が長時間労働によって、過労死したという本当に痛ましい事件について、とても憤りを覚えました。何も改善されていません。過去にも同じように過労死した社員がいたのに…。
また、東京労働局の対応についてもどうかと思う。腰が重すぎるんです、とにかく。強制捜査っていっても”事”が起きたあとでは、人の命は戻ってきません。
ただ、外から圧力がかからないと変わろうとしない企業が存在してること自体悲しいこと。自分たちのことは自分たちでという考えがまるでありません。
自浄能力のない会社だと思う。とコメントした電通社員もいたそうですからね。しかし、この社員に対して電通トップは幼稚な逆ギレで戒告処分したらしい。口答えというふうになってしまったらしいです。
社員を過労死させてもなお、こんな的確な感想をいうことも許されない社風って、はっきりいって異常だと思います。そんなトップ連中がいる企業なんかに、夢も希望もないのでは?
会見では共に困難な課題を克服しようといっても、化けの皮を剥がせば逆ギレ幼稚なおぼっちゃん。まるで反省なんてまったく見られない。反省しない企業、多くの日本企業の体質です。
また今まで突っ込んだ取材もしようとしなかったマスコミが突っ込めるのも、過労死犠牲者が出たからでしょうか?それまでは電通様にビビって自粛して大事なスポンサーの悪い部分を報道しなかったのに、犠牲者が出てようやく動き出すんだから呆れます…。
働き方改善への取り組みって、一体いつまでやってるんでしょうかね?何年おままごとやりゃ気が済むんでしょうか。人の命より大事な仕事って世の中にあるのですか?
「ブラック企業大賞」なんかにノミネートされても、その企業の上層部の意識改革がなければ意味がありません。そもそも何の賞なんだこれ?w
結局、雇われてる以上、死ぬまで働け精神を脳内に植えつけられてジ・エンドってことになるのでしょうか。というのも日本での一般的な考え方は、仕事というのは楽しい遊びとは違って一生続く”労働”であり、おおむね精神や体力が毎日消耗していくものとされています。
日本の会社は電通に限らず、完全なる上意下達の組織のところが少なくないから、結局、上の顔色を伺いつづけるハメになる。それで、このような過労死事件については、これは電通1社だけの問題ではありません。
というのも、日本の過労死ライン(残業80h/月)を超えて社員を働かせてる企業なんて日本にはまだゴマンとあるわけで、それがさも当たり前になってしまってるという状況なんです。
まあ、過労死(KAROSHI)という言葉の生みの親ですからねえ、日本は。
じゃあなぜ日本では、こんな長時間労働がデフォルトになってしまってるのか?というところなのですが、たとえば長時間労働がいまだに美徳になってたりだとか、あるいはそれがカルチャーだったり、会社に長く居る人のほうが評価が高かったり、または早く退社するヤツには×がついたりだとかですね。
他にもいろんな理由はもちろんあるでしょうが、ただ、それを下支えする構造というものがあり、それがまさしく法律なのです。長時間労働というのを合法にすることができてしまうわけです。
それが36協定(さぶろくきょうてい)と呼ばれるものです。これこそがいわゆる労働基準法のバグ。つまり抜け穴ってことになる。
簡単に言うと、これは労働組合と企業の経営者側が結ぶものであり、規定にかかわらず労使間の合意があって特別な事情がある場合には、労働時間の延長または休日に労働させることができるというものです。
つまり何か事情があれば労働時間の上限を撤廃することができる。というのがこれ。
これがあることによって、労使協定を結ぶことさえできれば、働かせ放題にできるということ。しかも合法的に!!
話し合いの上「いいよ」となれば、過労死ラインを超えて働かせても全然OK。これは違法ではありません。合法です。ということがまかり通ってしまうという、そういう法構造になってるってことが問題なんです。
少なくても過労死ラインを超えるのはナシね。というふうにならないと、電通の女性社員のような犠牲者がいくらでも生まれてしまいます。
いや、そんなの無理だよ。と、日本ではそんなの無理だよって多くの人が言うかもしれません。
しかしですね、EUではすでに長時間労働の規制ってのが法的にもなされていて、EUでは週の残業は平均48時間が上限。それを超えてしまうと罰則を食らいます。
そんなので経済良くなるわけないでしょうが!って、頭が古い経営陣連中は思うかもしれませんねwしかし労働生産性は日本よりEUのほうが高いんですよ。
ある程度の制約があるほうが、どう効率を上げられるのかっていう知恵が働くと思うし、たとえば機械化しようとかAIにやってもらおうだとか、さまざまなイノベーションを生んでいくわけであって、長時間労働となるとですね、どんなに非効率でも人にやらせればいいじゃないか。っていうことになってしまうわけです。
将来は機械に雇用を奪われるだの、AIに人類がのっとられるだの、ギャーギャー騒いでいる人もいるようですが、今まで人がやってた部分を上手く穴埋めして、長時間労働をなくすことができれば、そうすれば機械とかなり良い付き合いができると思いませんか?
また、このEUではインターバル規制といって、終業つまり仕事の終わり時間と始まりの時間の間が、11時間空いてないといけませんよ。というルールをとってます。
電通の女性社員の場合は2時間しか寝られないなど、日本企業ではこれが日常化してしまってるといえます。これはけっきょく欝を引き起こしてしまったり、最悪の場合は命を絶ってしまう。といった悪循環になってしまうので、長時間労働規制とインターバル規制のこの2つが過労死防止の大きな1歩だと思う。
とはいっても、しばらくは何にも変わらないと思います。ダラダラ対策してるフリをすると思います。うん。ブラック企業撲滅キャンペーンなんて何年やっていますか?
そして現状はどうだろうか。ブラック企業は無くなりましたか?あなたの働き方は改善されましたか?あなたの会社の経営陣はどんな改善をしましたか?
とある会社では長時間労働を改善するために、22時に会社全館消灯することにしたそうですよ?22時に会社全館消灯だって?笑えますw 改善って言葉を履き違えているようですね。
電気消えたって予備電球つけて仕事してるか、自宅に仕事を持ち帰ってるか、または次の日の朝5時に出社してるかのどちらかでしょう?というか朝の5時から22時まで働いてる時点で、ぶっちぎり労基を破っていますが…。
権力を振りかざして、的外れな対策しかしない連中は当てにできないから、もうこうなれば自分自身で何とかしたほうが、手っ取り早いのかもしれませんね。
あなたがもし今の会社がブラックだと感じていて、自尊心を削られていて、毎日身も心もすり減らしているのなら、そこから逃げるという選択も視野に入れたほうがいいのかもしれません。
生活がかかってるのもよく分かる。もしかしたら家庭を持ってるのかもしれない。だけどあなた自身がぶっ壊れたらそれこそ終わりですから。
だから全力で会社から逃げれる方法を模索してほしい。逃げるは恥だがっていうプライドなんかここではいらない。あなたにマッチした生き方は他に必ずあります。
多元的所属ってのは人の命を救うんですよね。
ある職場ではすごく自尊心を削られても、他の職ではヒーローになったりっていうことがあったりするので、そういう意味でも1社(ひとつの職場)だけに縛り付けてっていうのは、ある種の洗脳と同じ。
本当に自分に合った職場がすでに見つかってるのであれば、転職もひとつの方法だといえるし、または自分でビジネスを始めてみるのもいい。
とにもかくにもクソ企業にあなた自身を殺されるな。自分のことしか考えていない上層部が運転するブラック・カーになんか乗り続けるな。
そんなクソ人生ゲームのプレイヤーから今すぐ降りろ!